カルルス温泉「鈴木旅館」

観光地登別温泉とは近いもののどちらかと言えば湯治場的名温泉地なのがカルルス温泉。全国的にも有名でかつ入浴剤にまでなる北海道を代表する温泉地の1つではあるが、その歴史は1899年寿館が開業したことに始まった。その寿館は後に鈴木旅館と屋号を変え現在に至っているというカルルス温泉で最も古い老舗旅館ということになる。

古きよき時代の湯治場を思わせる設備であるが、ここの名物はなんと言っても浴室にある数々の札。そこには用途に応じた正しい入り方がズラリと書いてあるのだ。こうしたところも珍しいが、さらにここの名物がその入り方。通常は温泉に入ると言えば浴槽に入ることを想像し、これが当たり前だが、鈴木旅館名物は北海道ではここだけの寝ながら湯に入るというもの。ただし銭湯でもあるような寝湯ではなく、良質なお湯がふんだんにかけ流れて行く風呂の縁に寝そべるというもの。ちゃんと枕にするための木枕まで用意されている。そうして寝そべりながら、体の悪い部分に温泉に浸したタオルを乗せて、何度もかけ湯をする。入るというよりは浴びる、当てるといった方が適切だとは思うのだが、お湯に浸かっていないため、通常ならば疲れてしまい、逆効果になってしまう長時間に渡る温泉治療もここではぼせることなく出来るのだ。

そのためにはまず源泉かけ流しというのが必須であるが、さらに鮮度や清潔度を保つための清掃も欠かせなくなるものの、ここでは宿泊客が出た後午前中いっぱいを使って清掃を行い新しい湯を張る。そのため日帰り入浴開始が13時からと遅いものの、これも湯を守るため大切なことなのだ。

ろ過循環などが多い中、ここでは脱衣所などに湯の管理方法などこと細かに開示されている。そうしたところからも湯と湯を守ってきたプライドのようなものが感じられるまさに満点の温泉と言えよう。

 

住所:登別市カルルス町12

日帰り営業時間:13:00〜20:00 

定休日:無休

日帰り入浴料500円

地図

レカ郎ジャッジ

施設 温泉自体 景観 秘湯度 アクセス 総合評価

浴室の様子

浴室内には入り方が事細かに書かれた札が掛けられている

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