日本海ふるびら温泉 「一望館」
日本海側の北側はそれほどよい温泉というものが少ないが、対照的に南側には雷電や岩内といった場所を初めとして良質な温泉が点在するが、積丹半島の古平町にもちょっと変わった温泉が存在する。それが日本海ふるびら温泉一望館だ。
国道229の古平漁港近くから山側に少し入ったところにあるその施設は元古平高校という他に聞いたことのない温泉施設なのだ。1996年開業の施設は旧古平高校の校舎を使ったもので、いたるところに学校を垣間見ることが出来る。
男性用脱衣所は元廊下、学校らしい引き戸を開けて浴室に入ると見た目は浴室だがよく見ると学校だなというのが感じられる。というのも浴室は元々職員室だったとか。確かに細かく分けられている教室を使うより広い空間が確保してある職員室ならば十分なスペースを確保できるといえるが、教師が仕事をしたり、生徒の指導をしたりしていた同じ場所で入浴しているというのはなんとも不思議な感覚になる。
ただ浴槽に注ぎ込まれる温泉はほうじ茶のような濃い色をした良質でよく温まる食塩泉で、湯の花が大量に浮遊しており、お湯が床を染め上げている辺りが循環装置を使っていない証拠である。
学校の雰囲気が漂う階段を上がっていった先が休憩室になっており、ここは元教室。窓辺に通る鉄の棒がいかにもという感じがする。他に仮眠がとれるようになっている安静室も別途設けられている。
元々温泉施設ではなかった場所を入浴施設へと転換してうまく使っていることに関心するばかりだし、役目を終えた建物の新たな活用法というのを教えてくれるような施設だと感じた。
しかし残念ながらその施設も2011年3月に同じ敷地内に建設される新しい施設へと移り再び学校の温泉は役目を終えることになっている。ただこうした施設は他に聞いたことがないため一望館らしさ、付加価値を失ってしまうようでならない。どうせなら日帰り専用温泉ではなく、教室を使って宿泊できるようにするなど、旧校舎を使っている一望館ならでわの運営方法があるような気もするが、新しい施設へ切り替わってしまうのはちょっと残念でならない。
湯は水道水を2割加水して使われている他、浴槽は毎日21:10〜23時の間で完全換水され清掃されている。
なお場所が少し分かりにくく、余市方向から行く場合古平漁港近くの新地町交差点を左折して岩内方向へ入って少し行ったところに山側へ入る小道があり、その入り口に分かりにくいものの看板が立っているのでそれを目当てに行くとよいと思われる。位置的には国道にあるトンネルの上の山という形になる。
レカ郎ジャッジ
施設 | 温泉自体 | 景観 | 秘湯度 | アクセス | 総合評価 |
4 | 4 | 3 | 3 | 2 | 4 |
住所:古平郡古平町新地町89−1
入浴料:500円
休館日:第一・第三金曜
帰り入浴時間:10:00〜21:00
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