ニセコ昆布温泉「鯉川温泉旅館」
ニセコに古くからある老舗の1つが鯉川温泉旅館である。開業は明治32年で、当時は宮川温泉と名乗っていたが、開業ほどなくして鯉川温泉と改名し現在に至る。
現在は男女別になっているが、かつては混浴であった。その混浴だった浴場が現在の男湯だが、その浴場は昭和初期から変わらぬ姿で使われ続けている。そのため湯船から出入り口方向を向くと混浴の名残が見受けられる。
湯量が豊富なのか、絶えず湯船には大量のお湯が注ぎ込まれ、また昆布だしのような色のお湯をたたえた湯船からはお湯があふれ出ている。
湯船の底には大量の湯ノ花が沈殿しており、出入りなので流れが出来ると湯ノ花が湯船に舞う。
湯船は2つあり、お湯が注ぎ込まれている側からもう1つの湯船に仕切りの穴を通してお湯が注ぎ込まれる仕組みになっている。
泉質はリュウマチや神経痛に効果がありしっとりとした感じである。
深めの湯船は立ったまま入浴が出来るようになっているとのこと。湯治の場とされているだけのことはあるだろう。
平成9年には男女別の露天風呂が作られ、こちらは湯量調整等を目的に加水されているものの、自慢のミネラル分が豊富な湧水を使っている。こちらも湯ノ花が湯船の底に堆積している。
決してこぎれいというわけではないが、昭和のレトロな建物がいかにも老舗旅館という風格を漂わせている。
露天風呂からの景色は「滝見の湯」とは言うものの、その滝は決して豪快なものではないが、四季折々の風景を楽しむことが出来、春には敷地内の桜が咲くため、運次第では露天風呂に桜の花びらが舞うという幻想的な場面に出会えるかもしれない。
玄関先には日本で数十しかなく、北海道でも十個程度しかないという「日本秘湯を守る会」の提灯が掲げられている。これもお湯が、佇まいが認められている証であろう。
2018年2月末をもって閉館となった
レカ郎ジャッジ
施設 | 温泉自体 | 景観 | 秘湯度 | アクセス | 総合評価 |
3 |
5 |
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住所:磯谷郡蘭越町湯里592
日帰り営業時間:10:00〜21:00
定休日:不定休
日帰り入浴料500円